駅前ビルと梅田ナビオにある人気居酒屋「ひもの野郎」。
抜群の干物と多彩な日本酒が味わえるということで、サラリーマンから絶大な人気を得てきた店だ。
人気の秘密は、やはりその干物。よくある干物とは違って、灰で乾燥させた「灰干し(はいぼし)」、そしてさらにそれを燻製にした「灰燻(はいくん)」という形で提供。それを、昼は定食として、夜は居酒屋メニューとして出しており、“干物フリーク”たちが何度もリピートしている。
新型コロナが始まってからも、周辺地域で働く人たちには大切な昼食場所として集客し続けているこの店。運営会社の社長である宮下良氏へのインタビューで、その魅力を探ってきた 。

――まずこの店の一番の魅力は干物ですよね。

宮下氏「はい。『和歌山ではよく知られている“灰干し(はいぼし)の干物”の美味しさを知ってもらいたい という想いからスタートした店です 」

――灰干しすると、何がいいのですか?

宮下氏「 灰を使ってじっくりと水分を逃がすので、組織や成分を傷めることなく、魚の旨みを凝縮していけるのです。最近よく言う“熟成魚”というやつですね。旨味成分のアミノ酸とグルタミン酸がアップするので、ともかく旨味が深いです。作るには手間がかかりますが、その分普通の干物にはない味が出せるのです 」

――それともう一つ『灰燻(はいくん)』というメニューがありますが。

宮下氏「 これは、灰干しした干物をさらに燻製したもの。ナビオ店にある燻製機で作っています。灰干しの旨味に、さらにウチの店は日本酒がメインなのですが、やっぱりこの燻製の味は、日本酒によく合います 」

灰燻ホッケ 990円

――ああ、聞いてるだけでよだれが出そうです(笑)。ご飯にも合いそうですよね。

宮下氏「 はい。駅前ビルもナビオ店も、立地的にランチで利用される方も多いので、昼はホカホカの白ご飯と一緒に食べてもらっていますね 」

――保存も効きそうですね。

宮下氏「 そうです。今問題になっている食品ロスについても、日持ちのする干物が中心ですので、一般的な居酒屋より減らすことができているんじゃないでしょうかね 」

――そしてやっぱり日本酒と合わせたい!

宮下氏「 はい(笑)。日本酒も定番から今流行りのものまで多彩に揃えています。日本酒飲みくらべ+小皿+特選干物という『日本酒飲み比べ晩酌セット』(1590円)というのも用意しています。飲み比べでなければ1000円の晩酌セットもありますよ」

日本酒飲み比べ晩酌セット

――素晴らしい!!! まあ、でも…新型コロナ以来、やはりお客さんは減ってますか?

宮下氏「 そうですね。街にいる人自体が減ってしまいましたからね。仕方ありません。でもお昼ご飯で利用して頂ける方もいるので、出来る限り開店し続けたいと思っています 」

――特別な対策はとられているんですか?

宮下氏「 まず衛生管理については、スタッフも手洗いやマスク着用、お客さんにも消毒をお願いする形でやっていますし、スタッフの体調も出勤時に必ずチェックしています。そして 新たに4月から、駅前ビル店ではお弁当もスタートしました 」

サバ灰干し弁当 900円(税込)

――お弁当ですか。ビジネス街ですから、確かに需要ありそうですよね。やっぱり“灰干しの干物弁当”ですか?

宮下氏「 そうですね(笑)。このお弁当、実はもう1~2か月前から構想しだして、添え物はあれがいい、これがいい、と練りに練って作ったものです。単に今までランチで出したものを弁当に詰めればいいわ、というものではありません 」

――干物だし、冷めても美味しいでしょうね。

宮下氏「 はい。冷めてもふっくらしていて、旨味があるのもウチの干物の特徴だと思います。この灰干しや灰燻というのは家庭ではなかなか食べられない味ですから、持ち帰りとしての需要もあるように思います」

――なるほど。確かに需要ありそうですよね。晩酌のお供に“灰燻”ってのがいいなぁ…。

宮下氏「 ともかく、このコロナが落ち着くまで、いろいろ考えながら辛抱して頑張っていきたいと思っています。終息した時に再びお客さんが戻ってきてくれるよう、質をしっかり保っていきたいです」



旨味も増し、食品ロスにも対処しやすい干物。さらに“灰干し・灰燻”という家庭ではなかなか味わえないアイテムに目を付けたところが素晴らしいこの店。干物フリーク・日本酒好きならずとも一度は味わってみたいところ。ぜひこのコロナ禍をしのぎ切ってほしいところだ。

KGB編集長 宮本昭仁

店舗の詳細はコチラ!

ひもの野郎 梅田第4ビル本店

ひもの野郎 梅田ナビオ店

おすすめ記事

  • 北新地の“兄貴”が腕を振るう割烹『酒人肴 びりけん』の絶品燻製を自宅で北新地の“兄貴”が腕を振るう割烹『酒人肴 びりけん』の絶品燻製を自宅で 北新地のランドマークとなっている“ 帽子で粋に挨拶する男 ”の巨大看板で知られる北新地ハットボーイビルの8階。そこにある『酒人肴(しゅじんこう) […]
  • 『地酒蔵大阪 福島』古民家×日本酒×極上メシ。これに勝るものがある?『地酒蔵大阪 福島』古民家×日本酒×極上メシ。これに勝るものがある? 難波では知るぞ知る名店「地酒蔵大阪」が、福島にも登場した。路地裏にある、古民家を改装した“京町家”な風情の店構え。店主自らが酒蔵に足を運んで選び抜いた約50種の地酒。鮮魚や黒毛和牛、長崎芳寿豚、自家農園の野菜を使った季節感あふれる料理。これ以上、何を望むことがあろう。さまざまな酒類のなかで特に旨味成分が多い日本酒と滋味あふれる食材が、口のなかで螺旋を描いて脳天へと突き抜けて […]
  • 毎月9日は「クジラの日」! 関西の鯨食文化特集、第2弾!!毎月9日は「クジラの日」! 関西の鯨食文化特集、第2弾!!  本日9月9日は、五節句の一つである「重陽の節句」。旧暦では菊が咲く頃であることから、「菊の節句」とも呼ばれ、菊の花を浮かべたお酒を飲む風習があるとか。閑話休題。さて、表題の通り、毎月9日は「クジラの日」です。7月9日(火)掲載のKGBニュース、「毎月9日は『クジラの日』! […]
  • 『大衆酒蔵 丸勝 西中島店』(大阪市淀川区) 大阪・西中島の外食案内、第3弾は大衆酒場!!『大衆酒蔵 丸勝 西中島店』(大阪市淀川区) 大阪・西中島の外食案内、第3弾は大衆酒場!!  遡ること5月31日(金)のKGBニュースでは、「1貫50円からとはっ! 驚異のコスパを誇る、西中島の立ち寿司!! 」とのタイトルで、『立ち寿司 杉尾 西中島店』を 、さらに、6月11日(火)には、「焼き餃子と水餃子、あなたはどちら派? 答えを探して西中島へ~!!」との記事で、『餃子工房 […]
  • 7月7日は「七夕バル」は大盛況のもと終了いたしました。7月7日は「七夕バル」は大盛況のもと終了いたしました。 「令和OSAKA天の川伝説2019」と同時開催される七夕イベントの一つ、10回目を迎える 「OSAKA天の川伝説」 は天満橋駅を東西に流れる大川に光の玉「 いのり星® […]
  • 割烹出身の料理人が気を吐く!吹田に極上の鮮魚居酒屋がNEW OPEN割烹出身の料理人が気を吐く!吹田に極上の鮮魚居酒屋がNEW OPEN JR吹田駅から徒歩9分。地元民にしか知られていない名店がある。それが「参と壱(さんといち)」だ。割烹出身の料理人が居酒屋をオープンすることはよくあることだが、料理はほぼ割烹クオリティのまま、価格は居酒屋レベルで提供してくれるのがこの店だ。まだ今年3月半ばにオープンしたばかりで、正直、地域の方々にもそれほど知られていない様子。「めちゃめちゃいい店なのに知られていない。これはも […]