梅雨は梅の雨と書くように、この季節に出回る「梅」
梅雨は梅仕事でも知られますよね。
今回はそんな「梅」についてです。
梅は、昔から「医者いらず」と言われていたほどの果物。
梅にはクエン酸、りんご酸、コハク酸、ピクリン酸などの有機酸や、カルシウム、リン、カリウムなどのミネラル、そしてカロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなどが類を見ないほど含まれています。
梅の成分とその効果
梅の一般的な利用法として梅干しや梅酒が挙げられます。
梅の持つ酸の強さは、O-157菌が耐えうる限度を超えています。
他の食中毒を起こす菌はOー157ほど酸に強くないので、梅の殺菌力が食中毒予防や腐敗防止に威力を発揮します。
梅に豊富に含まれるクエン酸は頭の代謝を活発にし、疲労物質の乳酸を燃焼させてエネルギーに変える働きがあり、疲労回復に役立ちます。
また、ピクリン酸が肝機能を活性化させるので二日酔い防止にも効きます。
さらに、血管の老化を防止する上、ウィルスや癌細胞などを取り込んで消化するマクロファージを活性化させると言われています。
梅干しと唾液の効果
梅干しを見ただけでも唾液の分泌が盛んになりますよね。
唾液中には澱粉質の分解を助けるアミラーゼのほか、若返りのホルモン、パロチンが多量に含まれています。
また唾液中には発がん物質の毒性を 抑制する酵素も含まれています。
但し、梅干しはナトリウムが多いので、高血圧の人などははちみつ梅などの調味漬けで食べるか、
梅肉エキスで梅の薬効を取るようにしましょう。
梅肉エキスは梅干しの30倍の効能と10倍の抗菌性があると言われています。
水に溶かして飲めば乗り物酔い防止にもなりますよ。
食前酒としての梅酒
梅酒は食事処によって食前酒として出される場合がありますよね。
梅酒はリキュールと同様、混成酒類に分類されます。
他のリキュール類は作るときにミネラル分が減りますが、梅酒だけは逆に増加します。
これは、梅の有効成分がアルコール中に溶け出しているからです。
梅酒は特にカリウムがワイン、ビールについで多いのが特徴です。
適度な酸味とアルコールが胃を刺激し、食欲増進につながります。
カリウムは食事で余分に摂取したナトリウムを排泄するので、食前酒として最適な飲み物。
しかし、飲み過ぎると酔いますし、梅酒の糖分で逆に食欲が抑えられてしまうのでほどほどに。
また、お酒の弱い人や子供には、アルコール分のない梅シロップがお勧めです。
梅雨は体調を崩しやすくなる時期。
体調を整えるためにも梅干しや梅酒、梅シロップなど、梅を使用した飲み物やお料理を活用してみてくださいね。
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監修:真野稔子(まのとしこ)
【管理栄養士】 モデルから食のアドバイザーへ転身。
食は健康の基本であり、そして美の基本であるという考えから、シンプルでナチュラルな食生活を提案。
モデル事務所、エステサロン、病院、企業、行政機関にて栄養指導を行う。モデルの経験を生かし、キレイに痩せる食事指導においては定評を得ている。
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