政府によって行われる、統計法に基づく基幹統計調査である「平成 26 年経済センサス・基礎調査」によれば、全国のすし店の事業所数は、2万4069事業所にものぼるとのこと。和食の代名詞のひとつとされる「寿司」の、日本の食文化に深く根差した、その有り様を表す数字のひとつと言えるのではないでしょうか。
そして、本日のKGBニュースで取り上げる、創業50年を数える大阪市は阿倍野区の『松寿司』は、大阪の江戸前寿司を語る上では欠かすことのできない、知る人ぞ知る老舗。
現在は二代目のご店主となり、暖簾とともに先代の味を受け継ぎ、守り伝えていく中に、二代目の類稀なる創意工夫が合わさり、伝統と革新を両輪にして邁進し続けるこちらのお店を、ブロガーのcocoro4040さんとマッハさんがご紹介。

(本記事では、13,000円~のおまかせコースより、任意でピックアップしたものをご紹介している為、一品ごとの単体の価格は記載しておりません。)

cocoro4040さん
「静かな住宅街に、麻の暖簾が揺れているのが見えてきた」

店舗外観

cocoro4040さん
「こざっぱりとした店前と、色あせた年季の入った引き戸、ノリの効いた生成りの暖簾が醸し出す、凛とした名店の佇まいが滲み出るようです」

マッハさん
「天王寺駅・昭和町駅・西田辺駅からそれぞれタクシーで5分、天下茶屋駅からだと8分」

店舗内観

マッハさん
「白木のカウンターが品良くすっと伸びた店内は飾り気がないながらも清々しく凛としています。もちろんお寿司はカウンターでしょう!」

cocoro4040さん
「戸を開けると、流れるように奥へと伸びる白木のカウンターと威勢の良い声。
角の椅子にかけ、おしぼりで手を拭きながら見渡すと、余計なものは何1つないフラットなカウンターと真っ白な法被姿、客を迎える整えとしつらえの良さは、見ているだけで背筋が伸びる 」

cocoro4040さん
「少なめの赤酢のシャリとネタは、まるで、初めから1つの物のように互いに浸潤し合い、完成された味」

赤貝

マッハさん
「赤貝はなんと大阪湾から。国内でも水っぽい赤貝もある中、大阪湾の赤貝は味が濃いのが特徴とのこと。確かに旨味とコクが・・! そして食感にも驚愕。もっと歯ごたえあると思ったけどここまで柔いか・・!」

マッハさん
「タイは安定の明石。身が締まっているのに脂がのっていてガツンとくる食べ味。大好き」

マグロ漬け

マッハさん
「銚子のマグロをヅケに。さっと湯霜にした表面の部分がまたソソります・・! ネットリと広がる食感と、鼻から抜ける醤油の鉄っぽい香りがまた格別」

大トロ

マッハさん
「大トロも銚子のマグロから。もうこれは説明不要ですよね」

ミル貝ヒモの串焼き

マッハさん
「ミル貝はアテと握りで。まずは貝ヒモの串焼き! 七味と濃いめのタレがお酒をブーストします。しっかりとした食感の串焼きを食べているとカジュアルになりがちですが、品がある一品です」

ミル貝

マッハさん
「そして握り。こちらは貝ヒモとは対照的な柔らかさ。口の中でほぐれたシャリと混ざり合うミル貝・・! 芸術的な握り」

カワハギ

マッハさん
「カワハギはもちろん肝が添えられています! ハリのある食感のカワハギの身とトロリと濃厚な肝のコントラストが楽しいです」

コハダ

マッハさん
「江戸前の定番のコハダ! 松寿司さんでは軽めの酢締めでネタ本来の味を楽しめるのです!」

サヨリ

マッハさん
「淡路から仕入れたサユリは『閂』と呼ばれる特大サイズ! パンパンに身が詰まった閂のお寿司は食べ味しっかり。大葉でさっぱりと仕上げています〜! 」

のどぐろ

マッハさん
「みんな大好きノドグロは軽めに炙って香ばしい! 口に入れた瞬間にどろりとトロける! 極上! もみじおろしが添えてあるのでクドくならずに旨味だけを楽しむ工夫がされています〜! 」

ウニ

マッハさん
「北海道のウニは、明石の一番海苔の爽やかな香りで、さらに引き立たされています〜! パリッと気持ちのいい食感と、クリーミーなウニの対比も楽しい! 」

松葉ガニ

マッハさん
「松葉ガニのほぐし身をそのまま握る、珍しい一貫! 技術によりなんとか握りとしての形を保っていますが、口の中に入れた瞬間のほぐれ方は尋常じゃないです! ビッグバンです! 」

サバ

マッハさん
「サバは三重から。軽めの酢締めによりサバ本来の脂の甘みもしっかりと感じることができました〜! 」

車海老

マッハさん
「車海老は天草から特大サイズ。シンプルですが、これが本来の車海老の美味しさを最大限引き出しているのでしょね! ぷりっぷり・・! 香りも抜群・・! 」

あなご

マッハさん
「ホックホクの穴子もトロける美味さ。シャリとの調和。極上の体験」

マッハさん
「アテだけでもかなりの満足度です!」

アブラメ

cocoro4040さん
「透き通るような白磁の美しい有田焼で出されたアブラメ。皮目だけをさっと炙り、手をかけ過ぎず至ってシンプル。上品な脂ときめ細かい白身には、キリッと締まったお酒がよく合います 」

蒸し鮑

マッハさん
「スッと噛み切れる柔らかさに最初から感動。アワビはここまで柔らかくなるの? 優しいお出汁も飲み干してしまいます」

イワシ

マッハさん
「軽く酢締めしたいわしを、芽ネギと五色ゴマと一緒にノリで巻く創作のアテ。シャキシャキと芽ネギが爽やか。いわしがさっぱりしながらも脂がのっています。主張しすぎない脂の甘みがたまりません! 」

ミニフグ白子丼

マッハさん
「甘辛いタレで焼かれた香ばしいフグ白子を、小さめの丼ご飯にライドオン。豪快にグチャグチャに潰していただきます〜! クリーミーな白子に絡まる甘辛いタレ・・!」

cocoro4040さん
「小さな椀に、ご飯とタレを塗って炙った白子。よく混ぜ合わせるとリゾットのようになる。あるようで無かった新鮮な一品です。これだけでも日本酒がやまほど呑める。円やかな口溶けは食欲を掻き立て、驚きや遊び心を潜ませ、客を飽きさせない」

cocoro4040さん「あさりの味噌汁」

マッハさん
「赤だしをすすりながらコース終了! 」

cocoro4040さん
「板前に大将が立ち、その包丁さばきは舞台で演ずるがごとく。カウンターを囲む客達は熱い視線を送る」

cocoro4040さん
「少しぶっきらぼうで、飾り立てない鮨の中の、滲み出すような色気が客を虜にして離さないのでしょう。これが50年続いた二代目の受け継いだ技と心」
「ありがとう、大変美味しかったです」

マッハさん
「大阪市内でオススメの江戸前寿司と聞けば、『松寿司』と答える寿司フリークも少なくはないはず」
「大将の言葉の端々から、『美味しいお寿司を食べて欲しい』というシンプルな思いが、ひしひしと伝わって来ます。50年続くわけですね」
「松寿司さんでは、魚屋さんを介さずに大将自ら市場に行って、その日のネタを吟味して仕入れられています! 昔ながらの本当に大変な仕事ですよね」
「厳選されたネタを最大限活かすための、シンプルながらもこだわりぬいた仕事の数々も、芸術レベルです・・! 」
「僕は幸せ者です・・! 」

店名松寿司
住所大阪市阿倍野区王子町3-13-6
TEL06-6622-5723
営業時間[水~土]
11:30~13:30(L.O. 13:00)
17:30~22:00(L.O. 21:30)
[火・日]
17:30~22:00(L.O. 21:30)
休日月曜

(構成 上野屋 誠)

↓↓ブロガーさんの記事はこちらです↓↓

おすすめ記事