鉄板貼りされた店内。そこかしこに意味不明な置物が鎮座。

店内にディスプレイされたマニア垂涎のレアものアナログシンセサイザーからは、脳みそとろけるサウンドが鳴り続ける。

そんな異様な雰囲気のなか味わえるのは、本格蕎麦とうまい一品料理の数々。
そして、それを作っているのは仙人のような風体のオーナーだ。

「非日常、ここに極まれり」とも言うべきこの店は、数年前、大家との交渉がうまくいかず閉店してしまっていた。

ある日、もはや抜け殻となっていたはずの店の前を通ると、なぜか電気が点いている。「まさか!?」と思っていると、中からあの仙人オーナーが出てきたのだ。

以前、足しげく通っていた私のこともよく覚えていてくれた。

私「また店できるようになったん???」

店主「まあ…秋までですけどね」

なんかよく分からないが、とりあえず1杯だけ、と店に入った。

店内は、相変わらず総鉄板張り。

奥に進むと、やはりあいからずごちゃごちゃと意味不明なものが並ぶ。
中には、魔改造されてしまったあの子も。

音や光に反応して、「ビギャビギャ!」「ギュビュー!ギュルルル」と悪魔的なお話をしてくださる。
私「どこで手に入れてん、こんなもん」
店主「いやー。友人が改造して作ったんですよ」

店内はこんな感じ

店主を撮影しようとすると「恥ずかしいから…」とキモい。

ただ、この写真の中に、店主の顔が心霊写真のように写っているところがあるので、よく探してみてくださいな。
※すでに動画で発見した人もいるかも。

この店の目玉であるアナログシンセのディスプレイも健在。

Monoなんちゃらとか、クアドラとか、ARPうんちゃらとか、マニアが聞いたら目玉も飛び出るレアレアな機材らしいが、よく分かりませんな。
そこから自動演奏で常時奏でられているサウンドも、あいからず脳みそをとろけさせてくれる。

客にはシンセマニアもいて、“4人目のYMO”と呼ばれる松武秀樹氏も訪れたと聞いた時にはさすがに驚いた。

この蕎麦…バーで出てくるレベルじゃない

さてこの店では、名前通り、本格的な蕎麦も食べられる。 出汁は、サバ、ウルメ、メジカをブレンド。風味が強く、酒にも合う。 オーナーは、この店を始めるまで蕎麦の店で長年修業していたこともあり、そこらへんの蕎麦屋より断然おいしい。BARで出てくるレベルではない。

蕎麦は、能勢の天然水を使いながら店内の製麺機で作っている。常連ですらあまり知らないけれど、 店内の隠しトビラの奥にある。

一品料理も素晴らしい。おすすめは「う巻き」。値段は忘れました。

まあ基本的にはBARなんで、お酒は何でもあるけれど、やはりこの蕎麦や一品とは日本酒を合わせたいところ。

まあ3000円あれば、蕎麦食べて、一品と日本酒を数杯飲んで、ちゃんとほろ酔いになれる。

大家とのもめ事はまだ収まってないみたいで、なんと秋(9月末ごろ)にはまた閉店しちゃうようだ。その後、どこかで移転してまた店を出すそうだが、この内装の再現は難しいだろう。

閉まってしまう前に、ぜひこの異空間と極上の蕎麦を体験してみてほしい。

KGB編集長 宮本昭仁

店名 電氣蕎麦 (電気蕎麦)
住所 大阪市北区天満3-5-1 アイアンドアイビル 1F
TEL非公開
営業時間20:00~24:00頃まで ※テキトーです
休日火曜 ※まれに月曜日もサボってる

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