「クジラの日」とは、日本捕鯨協会や大日本水産会など計25の団体が、鯨食の普及促進を目的として、平成5(1993)年に制定したもの。 我が国は、国際捕鯨取締条約から令和元(2019)年6月末日をもって脱退し、国際捕鯨員会(IWC)への参加資格をオブザーバーとしました。そして、翌7月1日から31年ぶりに、IWCで採択された方式によって算出される捕獲枠の範囲内で、領海及び排他的経済水域内での商業捕鯨が再開の運びとなりました。
そこで、本日のKGBニュースでは、関西では「関東煮(かんとだき)」と呼ばれる 、身近な鯨を使ったお料理である「おでん」を中心に、鯨料理を味わえる数々のお店の中から4店舗を、ブロガーのぱたぱたぱたごにあさん 、のりたろうさん、らっき~さん、猫師さんにご紹介いただきます。
『おでん・一品料理 すえひろ』(大阪市北区)

ぱたぱたぱたごにあさん
「梅北、ヨドバシカメラ北側路地の雑居ビル奥にあるすえひろさん。落ち着いた雰囲気で優しい出汁のおでんと一品料理も楽しめる大人の居酒屋さんです」

(鯨の皮部分を油で揚げ、乾燥させたもの)
他は、大根、玉子、鰯つみれ。
ぱたぱたぱたごにあさん
「うん、おでん出汁の匂いで飲めちゃいそう。優しい魚介系の出汁がベース(多分w)で、ほのかな甘みと塩梅が絶妙なバランス。これマジで美味い!! 」
「ころは800円でこのボリューム。文句なしです。鯨の旨味ってやっぱりすごいよね〜。おでん食べたら必ず頼みたくなるメニューですわ」
店名 | おでん・一品料理 すえひろ |
住所 | 大阪市北区芝田2-2-8 |
TEL | 06-6373-1714 |
営業時間 | 17:30~22:00(L.O. 17:00) |
休日 | 土曜、日曜、祝日 |
『酒肴 哲』(大阪市中央区)


ぱたぱたぱたごにあさん
「日本橋の南側、堺筋から一本路地に入ったところにある酒肴 哲さん。おでんがメインの上品な佇まいな居酒屋さんです。おでんは牛すじベースの良い香りの出汁と、しっかり一品ずつ丁寧に作る種で、なんとも酒が進む満足度の高い逸品。おでんメインと言いつつ、アテもしっかり豊富で楽しめるんですよね〜。落ち着いた雰囲気に、調理に真剣に向き合う大将、そして優しい心遣いの店員さんと、なんとも居心地も良いです。今まで食べたおでんNo1な名店です」

左側上部が、さえずり(鯨の舌)。
ぱたぱたぱたごにあさん
「この濃いけど上品な鯨の風味・・・まじで美味いです。そして、ここまでとろりとした、エロい舌触りのころは食べたことありません。濃厚にまとわりつく、さえずりも文句なし」
店名 | 酒肴 哲 |
住所 | 大阪市中央区日本橋2-7-27 |
TEL | 06-6633-3899 |
営業時間 | 17:00~23:00(L.O. 22:30) |
休日 | 日曜(月曜日が祝日の場合、日曜営業) |
『鯨肉』(神戸市中央区)

のりたろうさん
「看板見る限り扱っているものは一目瞭然」
「場所は阪神西元町駅を降りてすぐ。神戸元町商店街アーケード西側の端を出て見渡すと道路向かい右手前方に見えます。大きな字なので見落とすことはないでしょう」

上から時計回りに、上舌(のどちんこ)、脂須の子 (胸びれの付け根)、
生ミンク鯨の赤身、ふぐり(睾丸)、心臓、本皮。
のりたろうさん
「料金は種類、人数により変わります」
「鯨の種類は、ミンク鯨、ながす鯨、いわし鯨等からと色々あり」
「タレ、ごま油、刺身醤油で食します」

のりたろうさん「こちらは鯨2種類より提供」
のりたろうさん
「一切れ一切れが厚くそして大きなカット。この刺身たちだけで十分に来た価値があると思います。鯨を出すお店は数あれど、これぐらいの大きさで出すお店は記憶にないです。そして正直美味い!! 」
店名 | 鯨肉 |
住所 | 兵庫県神戸市中央区元町通7-2-17 |
TEL | 090-4767-0377 |
営業時間 | 15:00~22:00(L.O. 21:30) [ネタが無くなり次第、終了] |
休日 | 火曜日 |
『肴時々酒 海市』(大阪市福島区)

昨日のKGBニュースに続き、2日連続の登場。
猫師さん
「野田阪神駅から歩いて2〜3分のところ」
「店内は居酒屋以上割烹未満の雰囲気で、良い感じのお店」
らっき~さん
「野田阪神でリーズナブルな価格帯で、高級感があり日本酒と鮮魚が充実しているお店」

らっき~さん
「くじらころ、くじらすじ、大根、玉子、ちくわ、こんにゃく、焼豆腐の盛合せ♪ くじらのダシも染み出している、コクのある煮汁♪ クジラ好きには、堪らない味になっていました! 」

猫師さん
「オバケとは鯨のしっぽの部分で、脂肪が多く白い色をしています。味というよりシャキシャキした様な食感が良くて、酢味噌とも合います」
店名 | 肴時々酒 海市 |
住所 | 大阪市福島区大開1-20-3 |
TEL | 06-6463-4137 |
営業時間 | 11:30~14:30(L.O. 14:30) 17:00~23:00(L.O. 22:30) |
休日 | 水曜日 |
繰り返します。毎月9日は「クジラの日」!!
そもそも歴史を紐解けば、日本の組織的な捕鯨(古式捕鯨)は、江戸時代の慶長11(1606)年、紀州の太地(現在の和歌山県太地町)が発祥とされていますが、日本人の鯨食の歴史は、それよりも遥かに古く、縄文時代までさかのぼることができます。それは、全国各地で鯨類を食した形跡や、その骨の加工品が数多く発掘されていることなどから明らかとなっています。
また、鯨は数多の文献にも記されており、奈良時代に編纂された『万葉集』には、海や浜の枕詞として「鯨魚取(いさなとり)」と詠まれており、室町時代に書かれた料理書の『四条流庖丁書(しじょうりゅうほうちょうしょ)』や、公家の山科言継(やましな ときつぐ)の日記である『言継卿記(ときつぐきょうき)』 、江戸時代に刊行された『料理物語』などといった書物にも、鯨食に関する記述がみられます。また、同じく江戸時代には、『鯨肉調味方』という鯨料理の専門書も著され、鯨の部位を70に分類し、それぞれについて料理方法が紹介されています。
紙幅の都合であまり多くはご紹介できませんが、考古学的知見も含め、日本における豊かな鯨食文化の歴史を表す事柄には、枚挙にいとまがありません。
水産庁のサイトにも、
“遙か昔の時代から連綿と続いてきたクジラの利用ですが、その中でクジラに対する信仰が生まれ、唄や踊り、伝統工芸や食といった数多くの鯨文化が現在まで受け継がれています”
とありますが、その一翼を担う鯨食文化の、より一層の興隆を願うばかりです。
クジラに普段から慣れ親しんでいる方だけでなく、少し距離ができてしまっている方も、この機会にいかがでしょうか。
(文及び構成 上野屋 誠)
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