2月の行事に「初午」というのがあります。
2月は「節分」と最近ではバレンタインが有名ですが、「初午」は昔からある行事。
今回は、「初午」にまつわる行事食をご紹介します。
「初午」は2月最初の午(うま)の日をさし、2022年は2月10日がその日にあたります。
711年(奈良時代)のこの日に、稲荷社の本社である京都の伏見稲荷大社に稲荷大神が鎮座されたといわれています。
その日をしのび、伏見稲荷大社をはじめ、愛知の豊川稲荷や佐賀の祐徳稲荷神社など、全国の稲荷神社では初午大祭といって、盛大にお祭りが行われます。
本来は、農作業が始まる旧暦の2月に行われていました。
また、立春を迎える2月の最初の午の日「初午の日」は、一年のうちで最も運気の高まる日とされています。
その理由は、「午(うま)」は方位の南を示し、時間は正午を表わすことから、太陽が最も高く上がり、一日のうちで陽光の力が最も強まる時といわれているからです。
初午大祭の日には、稲荷神社の稲荷大神の使いがキツネだったことに由来し、キツネの好物とされる油揚げや、中に酢飯を詰めた稲荷寿司を奉納します。
「初午の日」に食べるいなり寿司
いなり寿司の栄養
甘辛く煮た油揚げに酢飯をつめた「いなり寿司」のカロリーは、一個あたり118kcal。
いなり寿司の糖質は1個あたり約16g。ごはん茶碗1杯分の糖質は約60gなので、ごはんと比較するとかなり低いです。しかし、いなり寿司はそれのみで食事を済ませてしまうことが多く、2つ食べれば32g、3つ食べれば64gと糖質は増えていきます。それ故、いなり寿司のみで食事を済ませることは注意が必要です。
しかし、いなり寿司は、油揚げを煮る際に砂糖を控えるなど工夫をすることで糖質を抑えることができます。
いなり寿司のアミノ酸
からだを構成しているたんぱく質はアミノ酸によってできています。
アミノ酸の中でも体内でつくることができないものを必須アミノ酸といい、食物から摂取しなければなりません。
このアミノ酸の摂取バランスが悪いと過剰に摂取した分が無駄になってしまいます。
いなり寿司はごはんと油揚げでできていますが、ごはんだけに関していえば必須アミノ酸の内「リジン」が不足しています。
逆に油揚げは「リジン」を多く含んでいます。
いなり寿司を食べることにより不足している必須アミノ酸を補い、バランスよく摂取できるので、良質なたんぱく質をつくることにつながります。
また、いなり寿司は血中コレステロールを減らす不飽和脂肪酸や、抗酸化作用や糖尿病改善に効果があると言われている大豆イソフラボンを含み、酢飯に使われる酢には血中脂質の低下、血糖値上昇の緩和、疲労回復等に効果があると言われています。
いなり寿司は油抜きをしっかりしたり、ひじきや胡麻や柔らかく煮た人参などを混ぜ合わせたりと、調理方によってカロリーや糖質を抑えることができます。
しかし、いなり寿司のみで食事を済ませてしまうと、栄養が足りないうえに糖質や塩分をたくさん摂取することになってしまうので気をつけましょう。
その点に気をつければ、簡単に作れ、油揚げでたんぱく質を摂ることもできるので、手軽に必須アミノ酸をバランスよく取れるいなり寿司は、炭水化物では罪悪感なく食べることができる一品です。
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監修:真野稔子(まのとしこ)
【管理栄養士】 モデルから食のアドバイザーへ転身。
食は健康の基本であり、そして美の基本であるという考えから、シンプルでナチュラルな食生活を提案。
モデル事務所、エステサロン、病院、企業、行政機関にて栄養指導を行う。モデルの経験を生かし、キレイに痩せる食事指導においては定評を得ている。
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