パリには1,200店舗以上のブーランジェリーがある。約300年前に出来た老舗をはじめ名店がひしめいているが、その中で注目を集めているのが、「LIBERTÉ PÂTISSERIE BOULANGERIE(リベルテ パティスリー ブーランジェリー)」だ。 サン・マルタン運河のほど近く、古き良き住宅街でありながら新しい感覚を持った人々が集まるエリアだ。
2013年にオープンしたばかりにも関わらず、すでに「バゲット・トラディション」、「パン・オ・ショコラ」、「クロワッサン」、「タルトシトロン」など現地での各部門のコンテストや口コミなどで常に上位にランクイン。確固たる地位を確立している。

その人気ブーランジェリーの世界展開第1号店は東京・吉祥寺にある。
リベルテ初のカフェスペース(約60席)も設けられたこともあって2018年3月にオープンすると瞬く間に人気となり、同年10月にはパン消費量でも常にトップクラスの京都にも登場した。こちらもカフェ併設(約70席)だ。どちらも「パリのコンセプトそのまま」に展開している。
どちらの場所も本店同様に新旧の魅力を併せ持ち、かつこの店のこだわりを理解してくれる土壌がある。それが地域選定の基準となったようだ。

日本でも人気となった理由は「日本にいながらにしてパリそのままの味を楽しめる」ことだ。 本場の老舗 「ムーランブルジョワ社」が手掛けたバゲット用最高級小麦粉などを使用して本店の伝統的な製法で作られたパンたちは、本物を求めるパンフリークの間でも高評価を得ている。
今回、関西グルメブロガーズ編集部は京都店に訪問。その魅力を実感してきた。
人気ブーランジェリーがひしめくエリアに確固たる存在感 |
“ウェルカム”な雰囲気の外観
京都店もまた、パリの本場同様、人気ブーランジェリーがひしめく四条烏丸の近くにある。四条烏丸から東洞院通を北へ5~6分ほどいったところだ。
第一印象は、「キッチン丸見えで開放的」「ウェルカムな雰囲気」。お客さんとスタッフと気軽にコミュニケーションがとれる空間になっている。現地で高い評価を得ているからといってお高くとまっている様子はまるでない。コンセプトは「透明性」「親近感」「品質」らしく、まさにそれを体現した店舗だ。

営業時間は以下の通り。オープンは朝9時からで、ランチスタートの12時までの時間は、購入したパンやケーキをイートインで味わえる 。焼き立てのパンの香りとコーヒー。1日の始まりに相応しい朝を迎えられるのは嬉しい。
ショップ 9:00〜19:00
イートイン 9:00〜11:00/16:00~19:00 LO18:30
カフェ 11:00〜19:00 LO18:30
ブーランジェリー(パンの店)としての「リベルテ」の特徴とは? |
人気No.1のクロワッサンは極上バターの風味が決め手

そんな朝にも味わいたいのが、表面はパリッとして中はしっとりとした、大振りの割に軽い「クロワッサン」。販売数もリピート率もトップという、まさに店を代表する商品だ。どれから食べるか迷ったら、ぜひこれを最初に試してみてほしい。
味の決め手は 「A.O.P. (アー・オー・ぺー) バター」の風味。「A.O.P.」とは、 各地の伝統的な農産品の保護を目的として、製品の質の高さを保証するEU共通の制度。
もともと料理人たちの間でフランス産バターの美味しさは周知のものだったが、まさにそれを代表するのがこの A.O.P. バターだ。
フランス直伝のバケットも魅力

そしてやはりパリらしくハード系のバケットも美味しい。小麦粉は「ムーランブルジョワ」と北海道産のものを独自にブレンド。自家製のルヴァン(発酵種)によってやや酸味を感じる。この酸味がクセになってリピートする客が後を絶たない。
日本オリジナルの“食パン”も登場

本場パリそのままのパンを軸にしつつも、最近では日本オリジナルのパンも登場している。その一つが「パン・ド・ミ・ジャポネ 」という食パンだ。こちらは国産小麦100%、 ニュージーランド産の上質なグラスフェットバターとはちみつを使用。芳醇なバターの香りとしっとりとした食感 が楽しめる逸品だ。
食事パン系では「パン・グルモン・シャンピニオン 」が人気

食事パン系では「 パン・グルモン・シャンピニオン」が人気。バケット生地の中にあるのは、マッシュルーム・しめじ・まいたけなどを白ワインやグリュイエールチーズ、牛乳、生クリームなどで煮込んだフリカッセだ。
パティスリーとしての「リベルテ」の特徴とは? |
フレッシュレモンが爽やかな「タルト・シトロン」

フランスのスイーツ文化は“クリームを楽しむ”こと。それを体現するのがこの「タルト・シトロン」だ。このクリームには、フレッシュレモン1/2個分が皮ごと練りこまれていて爽やかな酸味を楽しむことができる。男性にも人気の高いアイテムだ。
砂糖とジンジャーのみでじっくりと焼き上げたタタンは格別

季節ごとに旬のリンゴを砂糖とジンジャーのみでじっくりと焼き上げたタタンも定番の人気に。 リンゴは丸ごと1個使っていて、その風味を存分に楽しむことができる。
上にはフランスでは定番のクレームラフィネ(まろやかな味わいの発酵クリーム)が載っていて、リンゴのさっぱり感と相乗の効果を発揮している。
野菜“てんこ盛り”のランチも魅力 |

ここのランチで定番といえば、「3種のデリプレート」1350円。旬野菜をふんだんに使った3種のデリが楽しめることから、女性を中心に高い人気を得ている。
さらに新たなランチメニューも6月から登場

さらに6月からは「グリーンピースの冷たいスープ 10種の季節野菜添え(1,450円)」も登場。
フランスでは料理によく使われる食材であるグリーンピースの冷製スープに、季節の野菜約10種と生ハムとチェリーモッツァレラを添えている。ランチタイムから、売り切れるまで提供。
6月19日から新商品も登場 |
また6月19日からは焼き菓子の新商品も登場している。

新商品のひとつは、「ダックワーズ ブゥル」700円。
もともとはフランスで修業中の日本人パティシエが最中をイメージして考案したとされるダックワース。リベルテでは、ココナッツを生地に練り込みサクふわに焼き上げた生地にパインやパッションとホワイトチョコをブレンドしたガナッシュを挟んでいる。

もう一つは、なんともかわいい「ギモーヴ」700円。
ギモーヴとはつまりマシュマロ。レモン ミント、パッション、カシスの三色の彩り爽やかな夏の風味を揃えている。ココナッツファインでコーティングするスタイルもリベルテオリジナルだ。
取材を終えて・・・・
今回、 リベルテ パティスリーブーランジェリー京都店での取材を終えて、改めて思ったことは「職人の世界の信念」と「どうすればお客さんが楽しんでくれるかという視点」がうまく融合した店だと思った。
一つ一つの商品のクオリティはもちろん、そこからは“パリの日常”や“季節の香り”がしっかり漂ってくる。美味しい、ということ以上の経験をさせてくれるのがこのリベルテだ。
取材・文 KGB編集長 宮本昭仁
<取材先店舗>
店名 | リベルテ パティスリーブーランジェリー 京都 |
住所 | 京都市中京区東洞院通六角下る御射山町273 プラウド京都東洞院 1F |
TEL | 075-366-4361 |
営業時間 | ショップ 9:00〜19:00 イートイン 9:00〜11:00/16:00~19:00 LO18:30 カフェ 11:00〜19:00 LO18:30 |
休日 | なし |