秋は食べ物が美味しくなる季節。
お酒を飲む機会も多くなってくる時期ではないでしょか。
そして、忘年会シーズンにもそろそろ入ってきますよね。

昔から「酒は百楽の長」と言いますが、飲み方次第では薬にもなるし、毒にもなります。
今回は、そんなお酒について。

お酒のメリットとデメリット

・お酒のメリット
人間関係の円滑化
血行促進
精神的ストレスの発散
HDLコレステロールの増加(動脈硬化予防)

・お酒のデメリット
肝臓に負担がかかる
血圧が上がる
尿酸値が高くなる
カロリーオーバー
アルコール依存症

酔いとは

お酒を飲んだ時の「酔い」はアルコールが原因ですが、お酒に含まれるアルコールの濃さや強さは種類によって色々あります。アルコールが体や精神に対する影響は、飲んだお酒の量ではなく、実は、摂取した純アルコール量が基準となります。

1日のお酒の目安量

厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒量」は、1日平均純アルコールで約20g程度であるとされています。そして、一般に女性は、アルコール代謝の要である肝臓の大きさが男性に比べて小さく、解毒能力も低いので、女性は男性の1/2~2/3程度が適当と考えられています。

1日平均約20gの純アルコールとは

・血中アルコール濃度
血流がよくなり、陽気になる“ほろ酔い状態”の血中アルコール濃度0.1%が目安。これ以上血中アルコール濃度が高くなると、ふらついたり、吐き気をもよおしたりと酩酊状態に陥ってしまいます。そのため、血中濃度を0.1%までに抑える分量を「適量」としています。
目安は純アルコールで約20g程度。ビール中瓶1本(500ml)に含まれるアルコールの量が約20gとなります。

・肝臓でのアルコール処理時間
一般に肝臓がアルコールを処理するスピードは個人差がありますが、平均すると純アルコール約20gあたり約3時間と言われています。
つまりビール中瓶1本分を処理するのに約3時間かかるということになります。

純アルコール20gに相当するお酒の量

ビール ロング缶1本(500ml)
日本酒 1合(180ml)
ウィスキー ダブル1杯(60ml)
焼酎(25度) グラス1/2杯(100ml)
ワイン グラス2杯弱(200ml)
チューハイ 缶1本(350ml)

健康を保つために

楽しくほろ酔い気分になれる純アルコール量20gを「1単位」とし、健康な人は「1日1~2単位まで」とされています。つまり、20g〜40gまでの純アルコール量。

1日平均60gを超える純アルコールの飲酒は、多量飲酒といい、これを続けると身体的や精神的に、さまざまな問題につながる危険性があります。

どうしても量を飲んでしまうとか、付き合いでついつい量が増えるという方は、せめて休肝日を2日程度作りましょう。
ただ、なかなか2日は難しいなという場合は、1日たくさん飲んだら、次の日はスッパリあきらめて、飲まないようにするのがおすすめです。
1日おきでいいのなら、休肝日を作ることができ、さらに、続けることも可能ではないでしょうか。

最近では、ビール風味のノンアルコール飲料などで、様々な種類が出てきています。飲みたくなったときは、それらをうまく活用するのも休肝日を作る方法のひとつです。

オススメの食品

・飲酒前に摂りたい食材
アルコ-ルは大部分が胃で吸収されます。空腹時に強いお酒を飲むと胃がただれ、胃潰瘍の原因にもなりかねません。飲む前に胃腸を保護するため、牛乳やチ-ズなどの乳製品を食べるようにします。

・飲酒時に摂りたい食材 
良質のたんぱく質が多く含まれる魚や肉、卵、大豆製品とミネラルや食物繊維を多く含む野菜、特に緑黄色の野菜海藻、きのこ、こんにゃく、いもなどをバランス良く取り合わせ、食べながら飲むようにすると胃腸や肝臓への負担を少なくし、悪酔いの防止にもなります。

・飲みすぎた時に摂りたい食材
お酒を飲み過ぎたときは、生野菜や果物、天然果汁などを取ると、利尿作用のあるカリウムを多く含んでいるため、アルコ-ルの尿への排出に効果があります。

健康診断の時

飲酒量の多い人が、健康診断の際に注意しておきたいのが、γ-GTP(ガンマジーティーピー)の数値です。
γ-GTPは、肝臓のなかにある酵素。この数値が高いと、肝臓に異常があることを示しています。一般的に、お酒を飲みすぎるとγ-GTPの値が上昇します。この数値が高い場合、お酒を控えることをお勧めします。
なお、肝臓病や糖尿病、高血圧、肥満などは生活習慣病と呼ばれている病気です。これらは、食生活や運動、睡眠などの生活習慣を改めることで、予防や改善が可能です。
健康診断の結果をチェックしてみてください。

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執筆/監修:真野稔子(まのとしこ )
プロフィール
【管理栄養士】モデルから食のアドバイザーへ転身。
食は健康の基本であり、そして美の基本であるという考えから、シンプルでナチュラルな食生活を提案。モデル事務所、エステサロン、病院、企業、行政機関にて栄養指導を行う。
モデルの経験を生かし、キレイに痩せる食事指導においては定評を得ている。

オフィシャルブログ:tocolala.com
Facebook:https://www.facebook.com/tocolala/
Instagram : @toshiko_mano

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